
こんにちはWebマーケターのうなぎです。「マーケターのしおり」ではWebマーケターとして自由な生活を実現する方法を解説しています。
この記事では、
- Web広告運用の仕事内容って何?
- 辛い、しんどいって聞くけど実際どうなの?
- 未経験でも転職できる?
といった疑問に対して、現役Web広告運用者の視点でお答えします。

Web広告運用の仕事内容を、具体的にイメージできるようにご説明しますね!
Web広告運用の仕事内容は?

Web広告運用の仕事は、大きく分けて次の6つです。
- 企画/戦略立案
- 広告作成/入稿
- 数値分析
- 改善実施
- レポーティング
- クライアント対応
特に初めの4つは、PDCAサイクルの各順序に対応していてWeb広告運用において欠かせない業務です。
Plan・Do・Check・Actionの略で、成果物の品質を上げるために行われる作業サイクルのこと。広告運用においては、企画/戦略立案=P、広告作成/入稿=D、数値分析=C、改善実施=Aとなります。
ざっくり言うと「PDCAサイクルを回しながらWeb広告を運用して利益を最大化すること」。

6つそれぞれについて、以下で詳しく解説します。
企画/戦略立案
決まった予算と目標数値を元に、Web広告運用全体の戦略を立てる作業です。いつ/誰に向けて/どんな内容の広告を配信するのかなどを決めます。
広告の成果は運用を始める前の準備のクオリティによって決まると言っても過言ではなく、企画/戦略立案は特に重要な仕事です。
媒体やスケジュールを組むのも企画/戦略立案のタイミングです。商材についてのリサーチやクライアントへのヒアリングも含まれますね。
広告作成/入稿
「クリエイティブ」と呼ばれる広告素材を作成し、実際に配信するための設定を行う作業です。
作成すると言っても、基本的には同じチームにデザイナーがいます。案を出したり文言を考えたりといったコピーライティング部分を担当して、実際の画像制作などは任せることになるはずです。
また広告の成果を把握するための計測設定も行います。初めは複雑ですが、慣れてくればある程度ルーティーン化/効率化できる部分も増えるでしょう。
数値分析
想定していた数値と実際の結果を比べて、どこが悪いのか/どうすれば良くなるのかなどを分析する工程です。
Web広告運用はどんなに経験がある人でも一発で最高の結果を出せる仕事ではありません。少しずつブラッシュアップしていくことで、よりベターな結果に近づけていくイメージです。
初めの考えにこだわりすぎず、柔軟に/丁寧に分析を行うことが重要です。
改善実施
分析結果から改善案を出して実行するフェーズです。PDCAサイクルのA(Action)にあたります。
改善も実行して終わりではなく「その結果を分析→さらに改善」というサイクルを続けていくことになります。
PDCAサイクルを回していくことがWeb広告運用の主な仕事内容です。
レポーティング
クライアントや上司に対して、行った施策/数値結果/分析内容などを共有するレポートを作成する業務です。
日/週/月/四半期/年などのサイクルやフォーマットは会社(もしくは部署)によって異なります。
基本的には元々まとめてある内容を共有しやすいフォーマットに変更するだけなので、さほど重い作業ではありません。
クライアント対応
クライアントに提案や説明を行う仕事です。ただし、Web広告運用者の全員が行うわけではありません。
自社商品の広告を運用している場合はクライアント=上司ですし、広告代理店でも営業部署の社員がクライアント窓口となる会社もあります。
クライアント対応をする可能性もある、くらいの認識が正しいですね。
Web広告運用者として働ける会社

Web広告運用者として働く場合、所属する会社は次の2パターンです。
- 広告代理店
- 事業会社
「事業会社=広告代理店ではなく、自社商品を持っている会社」をイメージしてください。

「事業会社」はコンサル/広告業界でよく使われる言葉ですね。
つまり、代理店でクライアント商品の広告を運用するか、事業会社で自社商品の広告を運用するか、の2択です。
それぞれについて、簡単に特徴やメリット/デメリットをご説明します。
広告代理店
名前の通り、クライアントの広告運用を代理で行う会社です。

電通・博報堂・サイバーエージェントといった会社が有名ですね。
以下のようなメリット/デメリットがあります。
- 社内の研修体制が整っていて未経験でも転職しやすい
- 色々な案件を扱えてスキルアップしやすい
- 仕事を通して幅広い業界に人脈を作りやすい
- いわゆる激務な業界なのでハードワークになりがち
- クライアント対応をしなくてはいけない場合もある
広告代理店であれば経験豊富な先輩もたくさんいます。未経験からWeb広告運用者を目指すのであれば、まずは広告代理店に転職することになるでしょう。
また営業/提案〜運用実務〜クライアント説明の流れを一貫して習得できれば、独立も比較的容易です。
事業会社
社内に広告運用者を抱えている会社で働く場合です。

社内で自社製品の広告運用を行なっている人を「インハウス運用者」と呼びます。
運用実務に限って言えば、広告代理店と行なっている仕事内容はほとんど変わりません。
環境などの面で、広告代理店と比較して次のようなメリット/デメリットがあります。
- 自社製品を扱うためクライアント対応が存在しない
- 予算/目標数値/スケジュールなどの調整を行いやすい
- 成果が収入や待遇に反映されやすい
- 研修体制が整っていないことも多く未経験での転職は難しい
- 特定の商品しか運用しないためWeb広告運用者として独立しづらい
上記を踏まえると、すでにWeb広告運用者として経験を積んでいる人/キャリアアップを目指している人におすすめと言えます。
運用するWeb広告の種類
ここでは、実務的な仕事内容について少し掘り下げてお話しします。
Web広告運用者になってから扱う広告は、大きく次の4種類です。
- リスティング広告(検索広告)
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
それぞれについて、簡単に解説していきます。

大雑把にでも知っておくことで、Web広告運用の仕事内容がイメージしやすくなるはずです!
リスティング広告(検索広告)
GoogleやYahoo!で検索したときに、検索結果画面の上下に表示される広告です。
ユーザーが検索したキーワードに合わせて配信できるため、ニーズが明確でわかりやすい特徴があります。

市場規模約7900億円とWeb広告の中では最も大きく(電通『2021年日本の広告費インターネット広告媒体費詳細分析』)、Web広告の中では最もスタンダードと言えます。
ディスプレイ広告
Webサイトを閲覧しているときに、主にバナー形式で表示される広告です。
リスティング広告の次に歴史が古く、市場規模としてはWeb広告全体の約31.8%を占めます。
SNS広告
LINE/Twitter/Facebook/Instagramなどを利用しているときに表示される広告です。
SNSの流行によって市場規模がどんどん拡大していて、2021年にはWeb広告全体の35.4%に当たる7,640億円にのぼっています。
形式としてはディスプレイ広告と似ていますが、市場規模が大きくなったことによって別物として捉えられているように感じます。
動画広告
Youtubeなどで動画を見ているときに表示される広告です。
2021年には市場として前年比132.8%の成長をしており、今後もどんどん拡大していくと予想されます。
ただしYoutube広告を目にしたことがある方はわかると思いますが、ユーザーの時間を強制的に奪う形式のため、ヘイトを集めやすいという特徴もあります。

Web広告運用者になったら、どれか1つに特化するのではなく時と場合によって最適な広告の種類を選ぶことが重要です!
Web広告運用の仕事が辛い理由

「Web広告運用の仕事は辛い/しんどい」というイメージを持っている方も少なくないでしょう。
実際、Webマーケターとして働いている視点でも辛いと思う部分はあります。
ですが、辛さの原因がわかれば対処することもできます。実体験も元に解説するのでぜひ参考にしてみてください!
物理的にハードワークだから
広告代理店と聞くと「高給激務」とイメージされるように、物理的にハードワークな会社が多いことは間違いありません。

残業が多い/休日にもパソコンを触っているなどですね。
ただし”ハードワークを強制されているか”は微妙なところもあります。私個人も、周りの知人を見ていても「休日でも広告の成果が気になってついパソコンを見ちゃう」という感覚の人が多い印象です。
とは言え、仕事している時間が長くなりやすいのは事実です。
きっちり9時〜17時で働きたい/仕事よりも圧倒的にプライベートを重視したい方にはおすすめできません。
常に数字を求められるから
Web広告運用では自分の仕事内容が全体の売上に直結します。
そのため、思うように結果が出ないと上司/クライアントから責められる可能性もあります。

営業職とイメージは似ているかもしれませんね。
「自分が数字で結果を出さなくてはいけない」というプレッシャーを跳ね除けて、成果を出すことが必須。場合によっては精神面での負担も大きくなりうるということです。
スキルをアップデートし続ける必要があるから
Web広告は技術の進歩や流行の移り変わりが激しい業界です。最新の情報にキャッチアップして、自分のスキルを磨き続ける必要があります。
同じような仕事をぼーっと続けていたい方にとっては、辛い/しんどいと感じる原因になります。

とは言っても、スキルをアップデートし続けるのはWeb広告業界に限った話ではないですが。
それでもWeb広告業界で働くのはおすすめ
Web広告運用の仕事が辛い理由をご説明しました。しかし個人的にはWeb広告業界への転職をおすすめできます。
理由は次の2つです。
- Web広告市場は伸び続けている
- 独立すれば働き方の自由度が高くなる

辛い理由/おすすめな理由の両方を加味して、ご自身に向いているか考えてみてください!
Web広告市場は伸び続けている
Web広告の市場は伸び続けており、2021年にはWeb広告費がテレビ/ラジオ/新聞/雑誌の4媒体を合計した広告費を上回りました。

引用:「2021年 日本の広告費」解説-広告市場は大きく回復。インターネット広告費がマスコミ四媒体の総計を初めて上回る
Web市場が伸びる状況は不可逆である可能性が高く、今後も規模が拡大し続けると考えられます。
そしてWeb広告運用者の給与は広告費の一部から支払われるため「Web広告市場が伸びる=給与の総和が大きくなる」と言い換えることができます。
全員が一律に給与アップされるわけではありませんが、年収を上げるチャンスが転がっていることは間違いありません。
独立すれば働き方の自由度が高くなる
Web広告運用の仕事は、パソコンがあれば場所や時間を選ばずどこでも可能です。

リモートワークが進んだことで、クライアント対応もオンライン(Zoomなど)で行うことが増えてきました。
一時期プログラマーがどこでも働ける仕事として話題になりましたが、Web広告運用者も仕事内容こそ違えど似ていると感じます。
実際、私はすでに独立しているため、家で(基本的には)自由な時間に仕事をしています。
通勤が嫌/家で仕事をしたいといった考えの方は向いているかもしれません。
Web広告運用者の年収/キャリアパス
Web広告運用者に転職したい方に向けて、年収/キャリアパスについて簡単にご説明します。
あくまで一例なので全員に当てはまるわけではありませんが、現役Web広告運用者としてお話しするのである程度参考になるはずです。
Web広告運用者の年収
Web広告運用者の年収はおおむね400万円〜1200万円です。
幅が広いのは経験/スキル/ポジションによって変動するためで、未経験からの転職であれば400万円前後でしょう。
年収を上げるにはスキルを磨いて結果を出すのが1番の近道です。基本給+歩合といった給与制度の会社もあり、実力を伸ばすことに自信がある方は検討してみてもいいかもしれません。
また成長段階の企業に広告運用者として入って成果を出し、CMO(Chief Marketing Officer)に昇進できれば、役員待遇となるためかなりの昇給を見込めます。

スキルを磨く→成果を出す→昇給/昇進を狙うという流れですね。
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Webマーケティングの年収は低い?未経験でも1000万を目指す方法も紹介!
Web広告運用者のキャリアパス
未経験であれば、まずは広告代理店に転職するところがスタートです。その後は重視したいことや将来設計に合わせて選んでみましょう。
- 1つのプロダクトを成長させることに集中するために、事業会社へ転職する
- 収入を上げるために、とにかくスキルを磨いて結果を出す
- 自由な働き方を実現するために、独立する
選択肢は幅広いので決め打ちする必要はなく、まずはなってみてから考えても遅くはありません。
大まかにまとめると以下のようになります。ぜひ参考にしてみてください。

未経験からWeb広告運用者に転職するには?
「Web広告運用の仕事内容はわかったけど、未経験から転職するにはどうしたらいいの?」
という方へ向けて、2つのルートをご紹介します。
- 未経験OKの求人に応募する
- Webマーケティングスクールでスキルを身につけて転職する

どちらにもメリット/デメリットがあります。ご自身に合った方を選んでください!
未経験OKの求人に応募する
特に第二新卒などの若手向けでは、Web広告運用でも未経験OKの求人案件がちらほらあります。
例えばリクナビNextで「広告運用 未経験」のキーワードで検索すると、全部で149件がヒットしました。

求人によって条件は様々なので全てに応募できるわけではありませんが、少なくとも求人が存在することは確かですね。
未経験OKの求人に応募するメリット/デメリットは次の通りです。
- 給料をもらいながらスキルを学べる
- 初めから実践なので成長スピードが早い
- 未経験でも成果へのプレッシャーがかかる
- 研修体制が整っていない場合がある
- 初めは雑用ばかり任される場合もある
「プレッシャーには強いから、とにかくすぐに働き始めたい!」という方に向いています。
未経験OKな求人を探すなら、次のエージェントがおすすめです。
- マスメディアン
…マーケティング/クリエイティブに特化 - マイナビジョブ20’s
…20代の第二新卒・既卒向け - doda
…大手で求人が豊富
Webマーケティングスクールでスキルを身につけて転職する
未経験からWeb広告運用者/SEO担当者を目指す方向けに、Webマーケティングスクールがあります。
「知識の習得〜実践〜転職」の流れをを手厚くサポートしてくれるスクールが多いです。
- 講師が教えてくれるため、未経験でもスキルを身につけやすい
- 転職/独立をサポートしてくれる
- 現在の仕事を続けながらでもWeb広告運用について学べる
- お金がかかる(※スクール経由で転職すればキャッシュバックを受けられることも)
- 働き始めるまでにタイムラグが発生する
いきなり働き始めるのは怖い/ちゃんとスキルを身につけてから実践に移りたい方に向いています。

個人的には、いきなり転職するよりもWebマーケティングスクールでスキルを磨くことをおすすめします。
Webマーケティングスクールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▼関連記事
【現役マーケターが比較】Webマーケティングスクールおすすめ7選
Web広告運用は副業に向いている?

結論から言うとWeb広告運用は副業に向いています。ただし、すでに経験を積みスキルを身につけている人限定です。
Web広告運用は時間や場所を選ばずにできる仕事なので、昼は会社で夜は副業/平日は会社で土日は副業のように柔軟に時間を使えます。またクラウドワークスやAnycrew(エニークルー)などのサービスを使うことで、案件も探しやすいです。

PPCアフィリエイトもWeb広告運用者の副業として候補にあがりますね。
しかし副業案件では、正社員よりもシビアに数値的な結果を求められます。スキルが未熟なまま副業に手を出すと、自分の評判を落とすだけになってしまうかもしれません。
まずは本業の仕事でWeb広告運用の実績を重ね、余裕がでたら副業に挑戦してみてください。
AIでWeb広告運用の仕事は無くなる?

個人的には無くならないと考えています。
そもそも「AIによって広告運用の仕事が無くなる」という説は、おそらく次のような前提に基づいています。
- 広告運用の仕事は数値的な分析が何より重要
- データの分析で人間はAIに勝てない
2については全く異論ありません。2022年現在でもAIによるデータ分析はWeb広告運用において大活躍中です。
しかし1については疑問があります。
広告は見た人間の心を動かす(「欲しい」と思わせるような場合も含めて)ことが目的である以上、最も重要なのは人の気持ちを理解することです。
映画のようにAIが感情を持つ時代が来たら話が変わりますが、少なくとも現在は心配ないのではないでしょうか。

AIが感情を持つ時代が来たら、Web広告運用以外の仕事も無くなってしまいそうです…
▼関連記事
Webマーケティングの将来性は?今後の需要と市場価値の高め方を解説!
Web広告運用 仕事内容 まとめ

今回は、Web広告運用の仕事内容とWeb広告運用者としてのキャリアについて解説しました。
改めてまとめると以下のようになります。
- Web広告運用の仕事内容はPDCAを回して数値的な結果を出すこと
- 辛いとも言われるが市場全体としての見通しは明るい
- 未経験から転職するならWebマーケティングスクールでスキルを磨くのがおすすめ
Web広告運用はスキル/成果が、給与/裁量に直結する仕事です。また実績を積めばフリーランスとして自由に働くこともできます。
自分の実力でキャリアアップを目指したい方、時間や場所に縛られずに働きたい方にはおすすめです。
自分がWeb広告運用の仕事に向いているかどうか不安な方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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