
こんにちは『マーケターのしおり』編集部です。このサイトではWebマーケターとして自由な生き方を実現する方法を解説しています。
「個人の時代」と言われ始めてから数年がたち、Webマーケティングフリーランスに興味を持っている方も増えてきました。
しかしプログラミング・Webデザインと比べるとまだマイナー。実際の働き方や年収事情がわからず、Webマーケティングフリーランスを目指していいのか悩んでいる方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、フリーランスWebマーケティングの働き方、年収事情やなり方について解説します。
Webマーケティングフリーランスの働き方・実情

Webマーケティングフリーランスの特徴を簡単にまとめます。
仕事内容 | 広告運用、Webメディア運営、SNS運営、データ分析など |
働きやすさ | 基本フルリモート |
年収の目安 | 500〜800万円 |
ぶっちゃけWebマーケティングフリーランスは稼げます。もちろんスキル・経験・案件によって稼ぎやすさの差はありますが、やるべきことをやっていれば年収1000万円も難しくありません。
では、実際にどのような仕事をしているのでしょうか。
Webマーケティングフリーランスの仕事内容
そもそもWebマーケティングとは名前の通りWebに関するマーケティング(集客・販売促進)を行う仕事です。
フリーランスWebマーケターは、企業からWebマーケティングの仕事を受注・実行します。
会社員のWebマーケターと違って上司が存在しないため、やりたくない仕事はやらなくてOK。したがって働き方の自由度はかなり高いと言えます。
Webマーケティングは「胡散臭い」というイメージ
Webマーケティングが胡散臭いと思われがちなのは、プログラミングやWebデザインと違って誰でもぱっと見でわかる成果物がない(少ない)ためでしょう。
実際には売上金額やユーザー数といった数値の上昇が成果として現れています。しかし、Webマーケティングに馴染みがない人にとってはイメージしにくいものです。

実際にWebマーケティングの世界を知って、胡散臭いというイメージがなくなった方も多いです。
また胡散臭いというイメージがあると参入しようと考える人が少なくライバルが減るメリットもあります。
Webマーケティングフリーランスの年収事情

Webマーケティングフリーランスの年収は目安として500〜800万円ほどです。
スキルセットや案件によって差はありますが、ゆるく働くなら400〜500万円ほど、キツく働くなら800〜1200万円ほどでしょう。
個人のWebマーケティングフリーランスとして法人から案件を受注するスタイルの場合、どれだけ頑張っても年収2000万円ほどで頭打ちになります。
年収試算

広告運用者として法人案件を受注する場合、条件や金額感として下記のようなイメージです。
- 広告運用代行案件
- 1社あたりの報酬:10万円/月
- 1社あたりの稼働時間:8時間/月
- 業務内容:広告調整、レポート作成、定例ミーティング
1日8時間×月20日と仮定すると月に20社請け負える計算です。
しかし実際は営業や経理・事務作業の時間や、アクシデントに備えた余白を設けなくてはいけません。また新規の案件を開始した場合には通常よりも業務量が増えるため、その分の時間も必要です。
したがって現実的には1人で月8〜10社程度を受注することになるでしょう。月に8案件を受けた場合、年収960万円です。
10万円/社 × 8社/月 × 12月/年 = 960万円

960万円はあくまで売上で、経費・税金・保険料・年金などを差し引くと手残りは600万円程度でしょうか。
フリーランスの案件例


自分で営業を行わず、エージェント経由で案件を受ける場合の参考にしてください。
フリーランスエージェント「modis」によると、Webマーケティング案件の月額平均単価は715,500円です。具体的には下記のような案件があります。
業務内容 | 単価 | スキル | 勤務形式 |
広告運用 | 〜60万円 | 広告運用経験2年以上 | 9:30〜18:30/リモート可 |
Webディレクション | 70〜75万円 | ディレクション経験3年以上など | 9:00〜18:00/リモート可 |
ECコンサルティング | 115〜145万円 | コンサルティング経験など | 9:00〜17:30/基本リモート |
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未経験でもWebマーケティングフリーランスになれる?

結論から言うと、未経験でもWebマーケティングフリーランスになれます。
理由は下記の2つです。
- Webマーケティング(Web広告)市場は伸びている
- 慢性的に人手不足な業界である
電通『日本の広告費』によると、2021年度のインターネット広告費はテレビ広告費のおよそ1.5倍です。
年度 | インターネット広告費 | テレビ広告費 |
2005 | 約4000億円 | 約2兆円 |
2021 | 約2兆7000億円 | 約1兆8000億円 |
過去16年間でテレビ広告費が微減した一方、インターネット広告費は6倍以上に増えています。今後もこの流れは続く可能性が高いです。
また広告代理店と聞くと「高級激務」とイメージされるように、マーケティング業界は常に人手不足。したがって、比較的経験が浅くてもスキルさえあればフリーランスとして重宝されます。

ただし、人手不足とはいえスキルがなくてもフリーランスになれるわけではありません。スキルがない状態でフリーランスになっても、自分の評判を落とすだけに終わります。
Webマーケティングフリーランスに求められるスキル
Webマーケティングフリーランスに求められるスキルは「必要なもの」「あれば年収アップに役立つもの」に分かれます。
必要なスキル
Webマーケティングフリーランスに必要なスキルは、下記3つのうち少なくとも1つです。
- SEOスキル
- 広告運用スキル
- SNS運用スキル
単価の高さで言えば「SEO=広告運用>SNS」という順番だと思います。
どれか1つできれば月10万円ほどの案件は獲得できるでしょう。3つ全てをこなす案件であれば月30万円を超えてきます。
ただしその分学ぶことは増える点、必ずしも時間単価が上がるわけではない点には注意しましょう。
あったら年収アップに役立つスキル
Webマーケティングフリーランスであったら年収アップに役立つスキルは下記の3つです。
- 営業スキル
- マネジメント、ディレクションスキル
- CRMスキル

CRMはCustomer Relationsip Managementの略で、顧客との関係向上のような意味です。最近のtoCマーケではLステップなどが該当します。
自分で高単価案件をガンガン取れるようになるか、Webマーケを超えた責任領域を持てるようになるか、というイメージです。
特に後者2つのスキルのどちらかを持っていれば、月40万円以上で案件を受けられる場合もあるでしょう。
Webマーケティングフリーランスのなり方
Webマーケティングフリーランスになる方法は次の3つです。
- Webマーケティングスクールに通う
- 広告代理店に就職、転職する
- 独学でWebマーケティングを学ぶ
それぞれ解説します。
Webマーケティングスクールに通う
メリット | ・体系的にWebマーケティングを学べる ・今の仕事を続けながらでも通える ・講師がいるため未経験でも挫折しづらい ・案件獲得をサポートしてくれるスクールがある |
デメリット | ・30〜60万円程度お金がかかる ・1日1時間×3ヶ月程度の時間が必要 |
名前の通り未経験からWebマーケティングを学ぶ人のためのスクールで、業種は異なりますがプログラミングスクールのようなイメージです。
Webマーケティングの基礎知識から実践レベルのスキルまで学ぶことができます。またフリーランス案件の獲得をサポートしてくれるスクールもあるため、チェックしたいところです。
料金は安くありませんが、Webマーケティングフリーランスになれば1,2ヶ月で元を取れる可能性も低くありません。Webマーケティングフリーランスを目指す方におすすめなのは下記の3スクールです。
- BeMarketer(ビーマーケター)
…フリーランス案件の紹介保証があるスクール - インターネット・アカデミー
…Web制作とマーケティングをまとめて学べるスクール - WEBMARKS
…SEOに特化して学びたい方におすすめのスクール
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広告代理店に就職・転職する

一度Web系の広告代理店に就職・転職しスキルを身につけてから独立するルートです。
メリット | ・給料をもらいながら学べる ・実務知識やスキルが身につきやすい |
デメリット | ・教育体制が整っているとは限らない ・初期はハードワーク、出社必須になりやすい ・最低1年ほどは会社員を続けることになる ・給料が下がる可能性高い |
お金を払う必要がなく、また会社員としてWebマーケティングの経験を積めるため、堅実な方法と言えます。
完全未経験での転職では給料が下がる可能性が高いなどデメリットはあるものの、条件が合う会社があればおすすめです。
ただし就職・転職すると何だかんだで1,2年は続ける場合が多く、すぐにフリーランスになれるわけではない点には注意が必要でしょう。
独学でWebマーケティングを学ぶ
メリット | ・スクールよりもお金がかからない ・自分のペースで学習を進められる |
デメリット | ・学習効率が悪い ・いつまでも実践に踏み出せない場合がある |
独学でWebマーケティングを勉強することもできますが基本的にはおすすめできません。
Webマーケティングに必要な知識は膨大かつ複雑であり、独学となると難易度が跳ね上がります。

独学だと学習から実践に移るタイミングも難しいポイントの1つです。
どうしても独学でWebマーケティングフリーランスを目指す場合は、次のような手順を取ることになるでしょう。
学びたい領域の本を3〜5冊ほど読み、知識をつける
↓
ブログやSNSアカウントを運営する
↓
PV・売上・フォロワーなどの実績を作る
↓
上記の実績をもとに営業し、案件を取る
Webマーケティングフリーランスの案件獲得方法
Webマーケティングフリーランスとして必要なスキル・経験を身につけた後は、案件を獲得しなくてはいけません。
具体的なフリーランス案件獲得方法を5つ紹介します。
クラウドソーシングを利用する

メリット | ・自分で営業する必要がない ・案件が多く、実績が少なくても獲得しやすい |
デメリット | ・手数料が発生する ・ワーカーも多いため値下げ競争で消耗しやすい |
クラウドソージングサイトはとにかく案件が多く、初心者で実績が少ない方でも受注しやすいことが特徴です。
ただし値下げ競争になりやすいため、クラウドソーシングを中心に生計を立てることは現実的ではありません。実績作り程度に利用しましょう。
クラウドワークスやランサーズなどの大手サイトがおすすめです。
エージェントを利用する
メリット | ・自分で営業する必要がない ・高単価案件を探しやすい |
デメリット | ・手数料が発生する ・フルコミット案件が多い |
営業せずにWebマーケティングのフリーランス案件を獲得したい場合、エージェントの利用がおすすめです。
スキルや経験を伝えれば、自分の代わりに営業して高単価案件を持ってきてくれます。

エージェントは月額単価の◯%が手数料になるため、高単価案件はお互いにとってメリットがあるという仕組みです。
【Webマーケティングフリーランスのおすすめエージェント】ITプロパートナーズ

- 週2日〜働ける案件が豊富
- 仲介会社を挟まないため高単価
- 確定申告サポートなど福利厚生

「マーケター」で「週2日勤務」に絞っても140件もヒットするほど案件が豊富。
フルコミ不要・リモート可の案件も多く、自由な働き方を実現したいWebマーケティングフリーランスにおすすめのエージェントです。
自分で営業する
メリット | ・手数料が発生しない ・自由に単価交渉できる |
デメリット | ・営業スキルが必要 |
営業スキルがある方は、自分で営業する方法がおすすめです。
もちろん営業に時間を割かなくてはいけません。しかし手数料が発生しないうえに単価交渉も自由で、結果的に時間単価アップを期待できます。

「メールや電話でアポを獲得→対面もしくはZoomで商談」という流れです。
営業ができる人と協業する
メリット | ・自由に単価交渉できる ・自分で営業するよりも効率的 |
デメリット | ・手数料が発生する ・コネが必要 |
知人に法人営業が得意な人がいればその人と協業することも選択肢の1つです。エージェントよりは自由度が高いですし、基本的には自分で営業するよりも効率的でしょう。
広告代理店も営業と実務で部署を分けている会社が多く、Webマーケティング界隈では一般的な方法と言えます。
既存顧客から紹介してもらう
メリット | ・営業工数がかからない ・ある程度信頼値がある状態から始められる |
デメリット | ・既存顧客がいないと始まらない ・プレッシャーが上がる |
既存案件でいい成果を出せれば、クライアントが知り合いの会社を紹介してくれることがあります。
紹介してもらった案件で成果を出せるかどうかがクライアントの信用にも関わるためプレッシャーは大きいですが、営業工数がかからない点は魅力的です。

あくまで自発的に紹介してもらう形なので、「あればラッキー」くらいに思っておきましょう。
Webマーケティングフリーランスとして稼ぐコツ
実際にWebマーケティングフリーランスになった後、効率的に稼ぐためのコツを紹介します。
ニッチな業界を攻める
フリーランスとして売上を伸ばすうえで重要なのは案件を打ち切られないことです。解約されると、売上が下がるだけでなく新しく営業をかけなくてはいけません。
しかしニッチでWebマーケティングに詳しくないような業界の会社から案件を受けられると、長く継続発注してもらえる場合が多いです。

多少、成果が芳しくなくても「そんなもんか」と思ってもらえるからですね。
ただしWebマーケティングに詳しくない人が多い業界の案件はエージェントには出てきません。自分で、もしくは知人に頼んで営業する必要があります。
スキルセットを増やして一括で受注する
「SEOだけできる」「広告運用なら自信がある」という人よりも、SEOも広告運用もできる人のほうが1社あたりの単価が高くなります。

責任範囲が広くなる=クライアントの売り上げへの影響が大きくなるので、当然と言えば当然ですね。
また一括発注はクライアントにもコミュニケーションコストの削減、媒体を横断した連携の強化といったメリットがあり、単価アップの交渉がスムーズに進みます。例えばSEOを1社10万円、広告運用を1社10万円で受けているけれど、両方をまとめて受注したら1社で25万円もらえるといった感じです。
1つのスキルを極めたほうが効率的に感じる方もいるので一概にどうすべきとは言えませんが、売上が伸び悩んだら検討してみましょう。
Webマーケティングフリーランスのよくある失敗例
Webマーケティングフリーランスとして独立したものの失敗してしまうパターンもあります。
あらかじめ把握しておいて、よくある失敗をしないように注意してください。
スキルがないまま独立してしまう
「早く独立したい」「個人で案件を受けてみたい」という気持ちはわかります。しかし、スキルがないまま独立・受注すると下記のような悪循環が起きてしまいます。
スキルがないまま受注する
↓
成果が出ない
↓
早く案件を切られる(知識を積み重ねられない)
↓
案件が0になり、新しい受注を急ぐ

まずはしっかりとスキル・経験を積み、成果を出せる状態になってから独立しましょう!
案件を獲得できず売上が立たない
Webマーケティングスキルと法人営業スキルは完全に別物です。「Webマーケティングスキルはあるけれど、営業ができないから案件を取れない」となってしまう方も少なくありません。
初めのうちは下記のように仕事を進めるのがおすすめです。
- エージェント経由で週2,3日稼働の案件を受ける(目安30万円/月)
- 残りの2〜5日を使って、自分で営業したり事業を作ったりする
まずは最低限、生活できるレベルの売上を確保しましょう。
【まとめ】Webマーケティングフリーランスになって稼ごう
この記事ではWebマーケティングフリーランスの働き方や年収、なり方について解説しました。改めてまとめます。
- Webマーケティングフリーランスの年収は500〜800万円が目安
- 未経験から目指すならWebマーケティングスクールがおすすめ
- まずはエージェントで収入を確保したうえで自分でも営業を行う
個人的に、Webマーケティングフリーランスほど稼ぎ方の自由度が高い職業はないと思っています。
独立して個人で稼げるようになりたい方、会社に縛られず自由に働きたい方は、ぜひWebマーケティングフリーランスを目指してみてください。